最近、しまむらグループがカスタマーハラスメント（カスハラ）に関するガイドラインを制定したというニュースを目にしました。正直なところ、こういったガイドラインが必要になってしまう世の中に少し悲しさを感じています。でも同時に、企業が従業員を守るために行動を起こしたことは評価すべきだと思います。
このニュースを読んで、私なりの考えをまとめてみました。
カスハラの現状
カスハラという言葉自体は最近よく聞くようになりましたが、実際にはずっと以前から存在していた問題です。店員さんに対する理不尽な要求や暴言、時には暴力まで…。そういった行為が「お客様は神様です」という考え方の裏で黙認されてきた部分もあるのではないでしょうか。
しまむらグループの対応を見ると、年間約2億人もの来店客がいる中で、カスハラ問題が無視できないレベルになっていることがうかがえます。厚生労働省が2022年にマニュアルを作成したことからも、この問題が社会全体で認識され始めていることが分かります。
カスハラの定義と具体例
しまむらグループの定義によると、カスハラは「クレームや言動の要求の内容の妥当性に照らして、該当要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、該当の手段・態様により、従業員の就業環境が害されるもの」とのこと。少し難しい言い回しですが、要するに「正当な要求であっても、その伝え方が社会的に許容できないレベルであれば、それはカスハラだ」ということだと理解しました。
具体例として挙げられている9項目を見ると、威圧的な言動や土下座の要求、性的な言動、個人への攻撃など、まさに「これはダメだろう」と思うものばかり。特に2013年に起きた土下座強要事件は衝撃的でした。その写真をSNSで公開するなんて、本当に信じられない行為です。
なぜカスハラは起こるのか
カスハラが起こる理由について、私なりに考えてみました。
1. ストレス社会
現代社会は様々なストレスに満ちています。仕事、人間関係、経済的な問題…。そういったストレスのはけ口を、立場の弱い店員さんに向けてしまう人がいるのかもしれません。
2. 匿名性の高まり
インターネットの普及により、匿名で人を批判したり攻撃したりすることが日常化しています。そういった感覚が実社会にも持ち込まれているのではないでしょうか。
3. コミュニケーション能力の低下
face to faceのコミュニケーションが減り、相手の気持ちを考えながら話すという基本的なスキルが失われつつあるように感じます。
4. 「お客様は神様」という考え方の誤解
この言葉の本来の意味は「お客様に感謝の気持ちを持って接する」ということだったはずです。でも、一部の人はこれを「何をしても許される」と勘違いしているようです。
カスハラ対策の難しさ
しまむらグループの対応を見ると、カスハラ行為があった場合は取引停止や出入り禁止、場合によっては警察や弁護士との連携も行うとのこと。これは従業員を守るために必要な措置だと思います。
ただ、現場での判断は難しいだろうなと想像します。どこからがカスハラなのか、グレーゾーンもたくさんあるはずです。従業員の方々は常に緊張感を強いられることになるかもしれません。
また、カスハラを行う人の中には、精神的な問題を抱えている方もいるかもしれません。そういった方々への対応も慎重に行う必要があります。
私たちにできること
カスハラ問題を解決するために、私たち一人一人にできることはあると思います。
1. 思いやりの心を持つ
店員さんも一人の人間です。自分が同じ立場だったらどう感じるか、常に考えるようにしましょう。
2. 冷静に対応する
何か問題が起きても、まずは落ち着いて状況を説明することが大切です。感情的になっても良い結果は生まれません。
3. 周りの人々に注意を促す
身近な人がカスハラまがいの行為をしているのを見かけたら、優しく注意してみるのも良いかもしれません。
4. SNSでの拡散に注意する
トラブルの様子をSNSに投稿するのは控えましょう。それが新たなハラスメントを生む可能性があります。
5. ストレス解消法を見つける
日頃からストレスをためないよう、自分なりのリラックス方法を見つけておくことも大切です。
これからの社会に向けて
カスハラ問題は、私たちの社会が抱える様々な問題の縮図のように感じます。コミュニケーションの在り方、ストレス社会、労働環境…。これらの問題に一つ一つ向き合っていくことが、最終的にはカスハラ問題の解決にもつながるのではないでしょうか。
企業側の対応も重要ですが、それと同時に私たち一人一人が「思いやりの心」を持ち、お互いを尊重し合える社会を作っていく必要があります。それは簡単なことではありませんが、小さな心がけから始められるはずです。
店員さんに「ありがとう」と言う。困っている人がいたら声をかける。そんな小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化を生むのだと信じています。
カスハラ問題を通じて、私たちはより良い社会を作るためのヒントを得られるのかもしれません。一人一人が考え、行動することで、誰もが安心して働ける、そして生活できる社会を目指していきたいですね。
まとめ
しまむらグループのカスハラ対策ガイドライン制定をきっかけに、カスハラ問題について考えてみました。この問題は単に「悪質な客vs従業員」という構図ではなく、私たちの社会全体が抱える課題が反映されているように感じます。
解決への道のりは長いかもしれません。でも、一人一人が意識を変え、行動を変えていけば、必ず良い方向に向かうはずです。思いやりの心を持ち、お互いを尊重し合える社会。そんな社会を目指して、私も日々の生活の中でできることから始めていきたいと思います。
みなさんはどう考えますか？この問題について、ぜひ周りの人とも話し合ってみてください。そうすることで、新たな気づきが得られるかもしれません。
