日本の労働環境は諸外国と比べても悪くて英語やその国の言語ができるのであれば外国で働きたい!日本はなぜ外国のような環境になってくれないんだ!?
なんて議論はよく出てきますが、実際のところはどうなのでしょうか?
Forbesが発表した世界の労働者から見た赴任先というデータが面白かったので紹介をしたいと思います。
Forbesのデータは?
Forbesのデータで世界の労働者の希望赴任先としてこのようなデータが発表されました。
Forbes 世界の労働者が希望する「赴任先」、日本は10位
https://forbesjapan.com/articles/detail/22943/1/1/1
1位:米国/34%
2位:ドイツ/26%
3位:カナダ/24%
4位:オーストラリア/21%
5位:英国/20%
6位:スペイン/14%
7位:フランス/14%
8位:スイス/13%
9位:イタリア/11%
10位:日本/10%
この調査母体は197ヵ国、36万6139人ということで決して特定の集団ではない幅広い真実味のあるデータになっているのかなと考えられます。
米国トップは何も違和感がない数字になりますし、他のランクを見ても皆先進国ということでそうだろうなということがわかります。
でも、日本が10位にランキングしているということ。
もう日本なんて落ち目なところがあるし、過労死が国際的に知られる等のことが起こっているのに?と思うところがあります。
なぜこんなにランキングが高いのか?
何故こんなに日本のランキングが高いのかというところが気になります。世界3位の経済大国のポジションは保っているので、10位くらいであればそのくらいであれば現実味があるという考え方もあります。
でも、労働環境で見ると欧州と比べるとどうなのかと思ってしまいます。
これがなぜかというところについては、特に発表されているわけではありませんので、後は想像の話になってしまいます。
どういう母集団に聞いたのかというところも人数が多いとはいえ、はっきりしない部分もありますからね。日本に来るといっても、それはある意味で稼ぎ滴な労働者としてやってくるのか、それとも外資法人の幹部としてやってくるのか、それによって意味合いもかなり変わってくることになります。
ネット上の反応は?
ネット上ではこの結果についてどういった反応が出てきているのでしょうか?
・日本の実情を知らない人が回答をしているのでは?
・日本のバブル時代の凄さが印象に残っているだけで現状をあまり知らないのでは。
・好きな国、イメージの良い国ということで日本をあげているだけでその労働環境までを評価して回答しているわけではないのかもしれない。
・日本人自体が日本の労働環境で悲鳴を上げるような状態なのに、外国の方がくるべきではない。
・母集団が36万人もいるのであればある程度正確性のあるデータなのではないか。
・中国の都市や韓国の都市よりも日本が上というのは非常に興味深い。
・日本の多国籍企業で働くことを想定していて、日本現地のブラック労働の実態を見ているわけではないのかもしれない。
このようなコメント等がありました。
それぞれ確かにそうかもしれないなと思えるようなものが多いですね。
どこまで日本のことを知っていて回答をしているのか、またどういう身分、ステータスで日本に来ることを想定しているのかで差が出てきそうな内容なのかなとも思います。
日本人も海外のことをわかっていない
日本人もアメリカはどうだ、ヨーロッパはどうだということで、話をしていますが本当に現地に行って、労働事情を完璧に把握している人なんてほとんどいないのではないでしょうか。
ほとんどの人は行ったとしても旅行、または仕事で行っても出張レベルだと思います。現地駐在なんて本当に日本から行くのはエリート層の一部かそれに近い層、または専門的に取引を行っている商社くらいのもので、とても一般的に精通している人が多いとはいえません。
先日もドイツの労働時間の実態的な記事がありましたが、ドイツ人は全員が定時で帰るようなのは間違いというものがありました。
定時で帰る職場もあるというだけで、優秀な人、上を目指すような人は日本同様に残業するそうです。さすがにサービス残業はないということですが。
日本の労働条件も均一ではない
日本人はどの会社もサービス残業とかがひどくて大変な思いをして働いている、そういった思い込みもまた危険な要素です。
日本の中にもホワイト企業として残業代が完全に支給されている企業も多いですし、本当はこれが当たり前です。
他にもワークライフバランスがしっかりとしていて、きちんと帰ることができている企業もたくさんあります。
外国はこうで、日本はこうだから日本は嫌だ、日本の労働環境はみんながやっているから仕方がない、なんて思いがちですが、実際はそうとも限らないところも多いんですよね。
海外からくる場合は日本のそれなりの企業が受け入れるというところもあり、労働条件がしっかりしているという可能性もありそうです。自分の仕事を探す際も国際的で、外国の方も受け入れているような企業であれば労働条件としても世界的に見て問題ないようなところである可能性も出てくるかもしれませんね。
今自分の勤務先がひどいのではあればどうする?
今の自分の勤務先の労働条件がひどいという場合、もしかして同じくらいのスキルであっても、もっと良い労働条件、ホワイトな職場というのもあるかもしれません。
日本人全体の職場感について考えてみたり議論するのはいいですが、自分自身の労働環境が悪いときに、まわりも一緒だからと判断してしまうのは早計かもしれません。
頑張って仕事を続けていれば、なんて上司は言うかもしれませんが、その環境でずっと働いていても、何も変わらないことがほとんどではないでしょうか。
本当に今の環境が自分にとって正しいのか、怪しいと思う人は一度自分の環境について見直してみることも必要です。
転職としてはリクナビネクストを見て考えたり、リクルートエージェント等のエージェントに相談してみるのもいいかもしれません。
自分の環境は自分で作っていくくらいの気持ちで考えていきましょう。