先日、ユニクロを展開するファーストリテイリングが子供を取締役に入れるということでニュースになりました。
もともとファーストリテイリングはオーナー企業にはなりますが、これでより一層家族経営色が強まり、また世襲の可能性が出てきたということになります。
このニュースの件を見て、世襲企業に転職するのはどうなのか?ということについて考えてみたいと思います。
世襲企業だと出世の問題がある?
世襲企業ということは、その後の社長になるのは子供か血縁関係者ということで絶対に自分が社長になることはできません。
世襲ということは実態がオーナー企業でもあるということで、経営の決定権は事実上オーナーが持つということになります。
役員等はすべてオーナーの意思によって選ばれることになりますし、血縁関係者でなければ事実上、役員クラスに上がるのは難しいということになる可能性もあります。
出世意欲が強い人、キャリアアップをその会社で図っていきたいという人がオーナー企業、世襲企業に行くのは、もしかするとデメリットとなってしまうかもしれません。
ただ、中にはあえて外部関係者を主要ポジションにつける経営者もいますのでその会社次第にはなってきます。
世襲をする会社で逆に出世できる可能性もある
世襲をする会社ということは出世に関して不公平な扱いがあることが当たり前のように起こります。
決定権が合理的に割り振られているわけではなく、オーナーの一存となってくれば、逆にオーナー一族に気に入られることで必要以上の出世もできるわけです。
オーナーの友達というだけで特別に能力の高くないような人が部長職につき、給料も破格の金額をもらっている、こんなケースも本当に存在します。
世襲をしていくということは、オーナーの息子と仲良い立場になっておけば、それだけでその先に優遇されていくかも・・・ なんだか汚い話のように見えますが、結局その会社内での話ですし、その会社の自由、自分が生き残るために何でもする、オーナー側に上手く取り入っていくというのは全然ありな話だと思います。
待遇が不透明になりやすい
世襲企業ということで、社長、役員等がその能力の出来不出来に限らず近親者等で埋めれれば、各社員の待遇についても、自由に設定されることになります。
会社によっては、きちんとした定量的な評価ではなく、上の意思で待遇、給料が決まってしまうことになります。たとえ数字等で結果を出していたとしても、上司の評価というところがマイナスになればそれで全体としてイマイチとなることもあるわけです。
評価なんて本当に適当なもので、四六時中社員のことを見ていることはできないわけですし、本当に上司の気分一つの評価となることは十分にありえます。
あまりにもきちんとした数字で判断できるような指標をつくる、360度評価の指標等を作ってしまうと、お気に入りの人を出世させられなくなってしまいますし、血縁関係の者の評価を落とさざるを得ないということにもなりかねません。
よほど意識が高い経営者であれば別ですが、親族優遇であれば、待遇も自然と不公平になっていくことが考えられます。
誰もが社長に意見できなくなる?
世襲企業の問題で誰も社長に意見できなくなるという問題もあります。
これは社長の質の問題もあり、社員から幅広く意見を集めるタイプの社長も当然いるでしょう。
重要事項の最後の決定は社長が行うべきであり、最終判断として社員の意見を聞かずに決定するというのは問題ありません。
ただ、どんなにおかしな方向に進んでいっても、社長がそれに気づかずに、誰も意見できない状態になる、意見をすると出世、成績、給料に関係するため、YESしか言えなくなってしまう。
こんな関係の会社も実は多いのではないでしょうか。
その結果誤った方向に会社が進み、経営が傾いてしまうリスクもあります。
人材が適正に配置されない組織になるリスク
世襲企業ということは、役員関連も親族、出世するのもオーナー一族に気に入られるかどうか、ということになってくると、組織の人材が適正に配置されないリスクも出てくることになります。
本来ならば現場の仕事ができる人が、リーダー職になって、その後適性な能力のもと、課長、部長、役員クラスとなっていくはず。
それがオーナー一族の意思で歪んでしまうのが世襲企業なのです。
自分自身の待遇というのも大事なところになりますが、自分の上位者、下位者の能力がめちゃくちゃだというのも困りますよね。そういった組織だと運営が非常に困難になるということも考えられます。
会社の経営としてもリスクが伴いますし、自分自身の普段の仕事としてもいろいろな問題が起こりやすいともいえるでしょう。
世襲企業の答えも一つではない
世襲企業についていろいろと書いていくとかなりデメリットが目立ってきてしまいましたが、実際のところ、世襲できるくらいに会社が安定している、信頼度が高くなって成り立っているというところもあります。
いくらなんでもただ血縁関係者だけで無能な人達の集まりであれば、会社は継続できなくなってしまいます。また社長の中には見識が深く、判断力が優れている、または外部の意見を積極的に取り入れる方も存在します。
世襲企業だから、と一律に判断するのもまた良くないかもしれません。
またこれからの時代、会社員として働くとしても一生一つの会社で働くということは少なくなりました。
転職をして複数の会社を渡っていく、複数の仕事を経験してキャリアアップを図っていくというようなやり方であれば、その企業の出世や役員等に問題があっても、人生のキャリア上問題はなく有効にその企業を活用していけるかもしれません。
役員や経営状態を調べるのも大事ですが、会社を決める、転職の要因はそれだけではないということで、転職の際はさまざまな点から会社を見極めるようにしていきましょう。
今では、転職エージェントに相談してみるという方法もいいかもしれないですね。
総合的な転職であればリクルートエージェント、
ワークポート等の転職エージェントがおすすめです。
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