仕事を自分で選ぶ勇気を持つということ。嫌な仕事は自ら選ぶ必要はないし、嫌だと思ったらやめてしまえばいい。
これは堀江貴文著の「多動力」の本で書かれていた話題の一つです。この考え方には賛否両論ありますが、確かにこれは一理あるなというような部分があります。
仕事を選ぶということ、これについて考えてみたいと思います。
自分の時間を生きるということ
自分の時間を生きるということはイコール他人に支配されない時間をつくっていくということ。
自分が求めていないような仕事をやるということは、他人に振り回されているということになります。
人のためになれば、自分は振り回されてもいいという考え方もありますし、それが好きな人もいますので、他人に振りまわされようと目の前の課題が解決する、最終的に自分の望むべく方向へと進んでいる。そうした状況なら良いかもしれません。
ただし、ただ他人に命令されて、嫌々自分が動くだけの仕事、やっても何か特別な満足感が得られる、あるいは納得できる給料が得られるというわけでもない仕事を続けるという意味はあるのでしょうか?
これも年齢、タイミング等議論はありますが考えてみる必要はあるのかなと思います。
嫌な仕事も我慢してやるべきだという理論
嫌な仕事であってもそれが自分に与えられた仕事である以上、我慢してやるべきだという理論もよくあります。
新人のときはそうかもしれません。最初から花形のような仕事が与えられるはずもなく、何年も修行を積んで、実績をつくっていって、そこからようやく希望の部署に異動する、希望の仕事ができるということもあります。
それを自分が受け入れられているのであればかまいません。
ただし、嫌な仕事はやらない、受けないというスタンスで働くというような方法もあるということも心の隅においておいてもいいかもしれません。
嫌な仕事も経験の一つとしてやっておくのがいい、これも正しいです。
両方の考えがあるということを知っておくべきです。
文句があるならばやめてしまえばいいという考えのリスク
本当に会社に就職すると嫌なことなんていっぱいあります。
毎日が楽しくて仕方がないという人なんて信じられないと思ってしまいます。
別にそんなひどいこともなくて毎日、普通に過ごしているという人もいるかもしれませんが、毎日がわくわくして楽しくて仕方がない、なんて経験をなかなか会社でできる人はいないかなとも思います。
会社で嫌な仕事をしなければいけないならやめてしまえ、文句があるのならやめてしまえ、嫌な仕事をしないで自分の時間を生きろ!
こういう言葉は多動力の本に限らず自己啓発関連の本、情報にはよく出てきます。
でも、本当にこれでやめてしまっていいのか、問題はそこですよね。
会社をやめるということは誰でもできますが、その次に理想の仕事につくということ、そしてその仕事で理想の給料を手に入れるということ。これは誰にでもできることではありません。
このような本であったり、コラムであったりするものを書いている人は多くが一般人等ではなく、業界の成功者、なんらかの実績を出した成功者であることがほとんどです。
嫌なことがあったから逃げました。でもその次にまともな仕事がある保証はないよ、それもまた一理ある話にはなります。
生存バイアスも考える
生存バイアス(生存者バイアス)と呼ばれる言葉を知っていますか?
嫌なことをしないでいいという主張で、仕事をして成功しました!という人は成功したからこそ、その記事を書ける、本を出せる立場になったわけです。
実際には嫌なことから逃げて、その後でまともな仕事がなくて、どうしようも立場になってしまった。結局最後は嫌な仕事をそのときよりも低い給料でやらざるを得なくなった。
そんな人の方が実際にはほとんどであっても、その人達は表に出てくることはないので情報は手に入りません。
結果として成功した情報ばかりが残ってしまい、嫌な仕事はやらないことが正解に見えてしまいます。これが生存バイアスです。
あまり自己啓発系の本を読んで、そればかりに左右されるとこういう問題も起こります。その人は、その行動をとって成功したけど、本当に他の人がその行動をとって上手くいくのか?
また自分自身は本当に上手くいくのか?決して逃げ腰になる必要性はありませんが、冷静な分析として情報を鵜呑みにせず、このようなことを考えることも大事です。
社会人全員が好きな仕事をやっているなんてことはありえません。誰かが嫌な仕事をやって、そのおかげで社会がまわっているということもあります。
嫌な仕事だからすぐ辞めていいという考えもまた考えの一つであって、それが全てではないということも考えておきましょう。
それでも嫌な仕事はしない。やめればいいという行動も良い
嫌な仕事だからといって簡単に逃げるというのもどうかという趣旨のことも書きました。ただ、それでも嫌な仕事はしないで、嫌な職場であれば辞めてしまえばいいという考えもあります。
嫌な仕事をして下積みをして、だんだんと上の立場になっていく。決してそれが人生のすべてではありません。
現実に好きな仕事だけを追い求めて成功した人もいます。好きな仕事だからこそ大変なことも頑張れるというような考え方もあります。
嫌な仕事だけど、頑張って何年も頑張った結果どんな仕事でもできるようになって、まわりにも認められて、良い立場になりました。このような結果になればいいですが、嫌な仕事をやり続けた結果うつ病になりました、体を壊しました、心も体もボロボロになって結果最後にやめることになって取返しもつかないことになりました。
このような結果となる可能性もまたあるのです。特にブラック企業等、何をしても救われないというような会社もあります。頑張ったから報われるとは限らないですし、その人の環境によってくるというところもあります。
嫌な仕事からも逃げないのが正義。そんなことは決してありません。会社の正義はあなたの生活、正義と関係はありません。会社は辞めてしまえばおしまいで何もあなたを守ってくれるなんてことはないのです。
嫌な仕事はやめても大変なことはあると思います。
ただそのこともわかった上で、今の仕事をやめる決断をするということ。自分の好きな仕事の世界へと進むということ。
これも成功した人もとった一つの決断であり、真剣に悩んだ上で選択してもいいかもしれません。
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