全員正社員は良いことなのでしょうか?クレディセゾンの働き方改革への考え

クレディセゾンが全員正社員化をして、非正規の人がいなくなったということをやってから1年ということで記事に上がっていました。

多くの会社が非正規社員を増やしてコスト削減、仕事の効率化を図ってきたわけですが、昨今そのことで各差拡大ということで問題になっていたわけです。

クレディセゾンはこれまでとは真逆の全員正社員化を行ったわけですがその結果はどうだったのでしょうか。

コストは数億円アップ

会社として人件費にかかるコストというのは年数億円増えたということが書かれています。会社としての合理化というところと全員正社員というのはやはり矛盾するという点はあるようです。

正社員といっても全員がフルタイムというわけではなく、1日5時間半だけとか、週休3日とかそういう働き方もあるということ。

従来のパート等の便利さはそのまま活かしながら正社員としての地位を保証したということで、従業員は働きやすくなった一方、コストは上がったということですね。

クレディセゾンの利益を見てみますと2018年3月期の連結決算で383億円ということ。前年度からは9.3%減ということにはなりますが、この規模の企業で、年数億円のコスト増加で社員が働きやすくなるということであれば、効果は十分というような感じはあります。

クレディセゾンの現在の給与体系は?

クレディセゾンの現在の給与レベルはどのようになっているのでしょうか?細かい内部の内容までは公開されていないのでわかりませんが、全体の平均年収で見ると

2015年 532万円
2016年 556万円
2017年 566万円
というものが出ています。

仮に年間コストが数億円上がったということで5億円程度と家庭して、2017年時点の従業員数2289人で割ると21万円程度のコスト増で平均年収は589万円程度になるのでしょうか。

あくまで平均の話で実際にはさまざまな契約、ポストがあることになりますしそう単純ではありませんが、年収600万弱程度の企業であるということはわかります。

この件についてのネット上の反応

こうしたクレディセゾンの取り組みに対してネット上ではどんな声が出ているのでしょうか。

・社員の思いやりがあって良い方針

・人を大切に扱う企業こそ未来がある

・こういう会社で働くことができる人は運がいい

・非正規は日本を衰退化させる。若い男女が安心して結婚することができる正社員化を推進するのがいい。企業も若い世代が増えてくれなければ購買力が落ちてしまって衰退につながる。

・企業は結局株主次第。短期的に人件費を削ると、競争力もコンプライアンスも落ちていく。長期的な目線を持っていくことが大事。

・正解ですね。すぐに首になるような職場では安心して働けない。クレディセゾンに成功してほしい。

このような好意的な評価が多くみられました。
あくまでこのニュースを見て第三者が話しているだけで、ニュース自体が良い方向に捉えたニュースであったため、このような声が増えているともいえます。

これが正解かどうかというのは、まだ誰にもわかりません。

企業の本質は利益を出すこと

企業は従業員を大切にするのは当たり前のことですが、大前提として利益を出さなければいけません。

利益を出せない企業はいずれ潰れるだけで、潰れてしまっては従業員を大切にするも何もなくなってしまいます。

利益が数億減る程度で従業員満足度が上がって、それで後々モチベーションも上がって業績も上がる。

これであれば全く文句もない結果というわけですが、正社員で簡単に辞めないということは逆に仕事の手を知らず知らずのうちに抜くかもしれませんし、競争が緩くなって仕事の質が落ちる可能性もないとはいえないわけです。

従業員にとって良い環境を作るのはいいですが、それが利益に結び付くのかそこが問題になってくるかもしれません。

日本的経営が本当に合っているのか

日本の中では非正規雇用のような競争の仕組みは合わなくて全員正社員、終身雇用的な日本的経営が合うなんて意見も出てきています。

一見正社員で格差がなくなるように見えますし、本当になくなる面もあるのですが、本当にそれでいいのかというところもあります。

今まで、日本的経営でぬるま湯のような面もあり、だんだんと国際競争力が落ちてきたということもあったのではないでしょうか。

非正規雇用になって、そこから正社員に戻ることができないというのは問題ですが、ただ全員が正社員になってそれで解決していくのかというと、それは国際的な競争社会の中において何かずれているような気もしてしまいます。

雇用の流動化は必要ではないか

クレディセゾンの件とは離れますが日本に不足しているものとして雇用の流動化というものがあると思うのです。

非正規の人が正社員になれば解決ではなくて、すぐに首になってしまうリスクはあるけれど、首になってもまた次の会社にすぐ就職できる。

こういう仕組みがまだまだできていなくて、一度会社を辞めるとなかなか転職しにくいというのが問題かと考えます。非正規雇用になろうと、すぐに次の職場に移れるのであれば、次は正社員ということで動けるのであれば大きな問題にはなりません。

個人の会社の特徴、方法として終身雇用を打ち出すのはいいですが、全体として終身雇用の方向に進むのは危なく、むしろ逆の気軽に会社を移れるというような仕組みが必要となるのではないでしょうか。

女性であっても、出産休業があっても、非正規であっても、正社員であっても誰でもチャンスが得られていつでも新しい会社に移ることができる、これであればモチベーションも維持しつつ、実力をつけて国際社会の中で戦えるのかなと思うのです。

 

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